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出会いの美女(インドネシア)

■インドネシア
インドネシア・ジャワ島の中心部にアンバラワ登山鉄道がある。保存鉄道であるため遠足や海外からの愛好家のために蒸気機関車を月に1、2度運転がある。この日は英国のグループが2日間チャーターで運転されるというので私も参加した。午後からの予定だが私はスケジュールの都合で午前中に着いてしまった。この駅は鉄道公園になっているのでジャワ島で活躍していた蒸機たちが20台近くも静態保存されている。暇をつぶすのはこと足りない。私は1台ずつ丁寧に見ていた。
ふと気がつくとマイクロバスが数台、駅の構内に横付けした。私はツアーグループかと思ったがでも時間が早すぎる。降りて来たのは映画のロケ隊だった。しかも英国人がいないのである。
ジャワ島中部 アンバラワ
ティナ(仮名) 19歳 モデル
モデル&ヘアーメイクなどスタッフ一行が降りてきた。ディレクター氏やカメラマンが機関車の前にモデルを立たせ、撮影が始まった。それはポスター撮りだった。私は興味津々に遠くから見ていた。
すると、私の持っているカメラ機材に彼らは興味を示、し日ネシア友好関係を築こうかと「私も一枚撮らせてよ」と言ってみると、どうぞどうぞと言わんばかりにディレクターが彼女たちに指示を出した。おまけにレフ板まで当ててくれる。SLと女性、なかなか奇妙な取り合わせだ。
せっかくだから記念写真をと私のカメラを地元カメラマンに渡して撮ってもらうことにした。数枚シャッターを押してくれたが、数人のカメラマンが取っ換え引っ換えシャッターを押している。
あの時の機材は、発売仕立てのキヤノンEOSー1Vだった。だからみんな触りたくてしょうがなかったみたいだったのである。2、3枚でいいのに、なんと、カメラに入っているフィルムをすべて押していた。
記念写真に応じたティナも、私の顔や身体にピタリ寄り添ってくる。ボディのスリムさを伺え私も嬉しいひとときである。まるでこの場は記念写真館である。フィルムの消費よりもこの美味しい時間の方が大切だ。フィルムを入替えしてもう少しこの時間を、と思っていると英国人ツアーがやって来た。夕食時、この様子を見ていた数人の英国人に冷やかされてしまった。

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都築雅人の出会いとロマンの煙情日記
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