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思い出の一枚(若草の髪飾り・チェリッシュ)

■若草の髪飾り・チェリッシュ
5月のGW明けに私は関西空港から中国・広州へ向かっていた。1人旅なので話する相手もなく、機内誌をパラパラと捲ってはイヤホーンから音楽を聞いていた。プログラムに懐かしの1970年代フォークソング集があった。
その中に、人気デュオグループ・チェリッシュの「若草の髪飾り」があった。私が中学卒業当時にヒットしていた曲である。実は卒業前のクラス会で白いフォークギターを引き、好きだったクラスメイトとデュエットをしたことがある。これが受けて私たちは「3年B組版・チェリッシュ」として、卒業までひっぱりだったことは言うまでもない。

JAPAN
卒業式を終え高校入学までの休みに北海道に行った。3月も下旬のことだ。名寄本線・上興部で9600を撮り終え名寄に向かう気動車の中である。車内は満席、私は仕方なく連結デッキにいた。遅れている列車の待ち合わせ停車中に撮影したのがこの一枚である。その時、隣りにいた乗客の携帯ラジオから流れていたのも「若草の髪飾り」だった。
「そういえばチェリッシュ、彼女と歌ったよなぁ〜」なんて思い出した。仲の良かった級友や彼女とも進路はバラバラとなり、今度いつ会えるかもわからない。急に空しさが込み上げ悲しくなった。中学校生活を振り返りながら名寄駅まで乗車したことを覚えている。
〜♪あなたが髪に結んでくれた。芽生えたばかりの花の首飾り♪〜
その「若草の髪飾り」を何十年ぶりに機上で聞いた。みんな今はどうしていることだろうか。この曲を聴くと28年前の中学校卒業当時と停車中の気動車のデッキが蘇る。蒸気機関車を追って日本から海外に目を向けた現在、あの頃と何ら変わっていない自分に苦笑する。


世界の蒸気機関車
都築雅人の出会いとロマンの煙情日記
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