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ベトナム 131 Class
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■131 Class

ハノイから北へ100Km。ここリュウサ製鉄所では日本から中国大陸経てベトナムに送られたC12型蒸気機関車がいた。C12型蒸気機関車は真岡鐵道や大井川鐵道トラストトレインでお馴染み。1932年から42年まで国鉄向けに293両製造された。簡易支線用や貨車の入替え用として重宝された機関車である。

C12の配置台帳を見てみるとC1294・C12101?160・C12168の62両が抜けている。これは戦時中(1938年〜43年)旧日本陸軍により中国大陸に供出されたのである。終戦後中華人民共和国領になってからは中越国境を挟んで中国雲南省とベトナム国内ではメーターゲージが使用されているため数十台のC12は北ベトナム鉄道に供給された。

私はベトナムの131ことC12を求め何度かハノイへ飛んだ。1991年ハノイの機関区で動態保存予定の131の小運転を撮影に成功したが、その仲間がまだ郊外の製鉄所に在ると聞かされた。数度の訪問したが規制が激しく失敗。それから約10年後2002年1月もうすっかり忘れかけてた頃に朗報が届いた。ドル収入目的でやっと撮影が許可されたのである。

131 Class  436 = 旧国鉄C12106号機 2-6-2T 1937年 日本 日立、川崎、汽車他
ベトナム国鉄1000ミリゲージ&1435ミリゲージ


朝のリューサ構内で入れ換えに忙しい131。冬のベトナムでは朝は肌寒く、冷気が白煙をはえさせる。メーターゲージに改軌されたがC12そのものである。入れ換え運転に元気な姿を見て思わず感激である。


国鉄線と別れ鉱山へ向かう線路はスタンダードゲージとメーターゲージのデュアルゲージだった。


沿線のロケーションは起伏も多く日本的な雰囲気があった。両サイドのロッドには、C12106と製造番号436の刻印がしっかり確認できた。またシリンダーにはC12136の部品がボルトで止まっていた。同型の部品を譲り受けて仲間の分まで頑張って生きている。


ホックロング信号所まではディアルゲージ区間。その先鉱山までの残り3Kmのはメーターゲージだった。三毛作のベトナムはすでに田んぼに水が張り、田植えの準備が始まっていた。


チャウ カゥ鉱山に到着すると汽笛の音に誘われてどこからか近所の子供たちが集まって来た。貨車の入れ替えだから構内を行ったり来たりつかの間の汽車旅を楽しんでいた。


貨車を引き出す131。6両ずつ貨車をヤードに押し入れた。貨車に積み込まれる鉄鉱石は約20t、今日は12両だから240tを一気に運ぶことになる。


鉱石を積み込み中131は給水。運転スタッフも一服。


ベトナムの大河ソンコイ川支流の大鉄橋を渡る。バック運転のC12はお馴染み、やはりよく似合う。それから数カ月後、ボイラーの腐食で今後の運転は限界とされ131は廃車されたと聞く。

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